MENU

行政書士 アスナ事務所

〒355-0055
埼玉県東松山市松風台14-25

定休日:土曜日、日曜日、祝日(事前にご予約があれば対応いたします)
営業時間:9:00~18:00

TEL:0493-31-2400
FAX:0493-77-4566

会社設立 その9 本店の住所を決めよう!

埼玉のほぼ中心東松山市で行政書士をやっている田村栄嗣です。
本日は、「本店の住所」について詳しく解説していきます。

会社の法律上の住所のことを「本店」といいます。会社の本店は登記しなければならず、一つの会社につき1つの本店を決めなければなりません。今日は本店の決め方を解説していきます。

スポンサーリンク
目次

本店の決め方

国内ならどこでも設置可能

会社の本店は日本国内ならどこに置いてもよく、実際に営業している場所と違う場所を本店にしてもかまいません。
例えば、事業は都内のアパートの一室で行い、本店の住所は実家に置くということもできます。
ただ、法務局や税務署の管轄は、本店の住所で決まるので実際のビジネスの拠点となる場所を本店とする方が面倒がありません。

決め方のポイント

本店の決め方は大きく2つあります。
一つは、自宅の一室を本店にする方法、もう一つは、自宅とは別に部屋や建物を借りて本店にする方法です。
特にここという条件がなかったり、まだ決めかねていたりする場合は、取り合えず自宅を本店にするのが無難といえます。最大のメリットは家賃が不要だということです。
ただし、自宅が賃貸である場合は気を付けることがあります。
それは、その賃貸物件が事務所としての使用を許可しているかどうかです。アパートやマンションなどの集合住宅の場合、不特定多数の人間が出入りする可能性があるという理由で事務所としての使用が禁止されているところが多いと思います。契約書を読んだり不動産屋さんに聞いて確認をしましょう。
万一、事務所使用が禁止されている物件であっても理由を話して、大家さんに許可をお願いしてみましょう。
例えば、ネット通販のお店などで人の出入りが少ないなど事情を説明してOKになったケースもあります。
もしだめだった場合は、取り合えず実家に本店を置きましょう。

定款には最小行政区画まででOK

本店住所は定款記載事項ですが、最小行政区画(市区町村)までの記載で大丈夫です。
例えば、本店の所在地の住所が「東京都新宿区西早稲田1丁目2番3号」であっても、「 東京都新宿区西 」まででOKです。
私は、定款にはこの最小行政区画までの記載をお勧めしています。
最小行政区画までの記載にしておけば、新宿区内で本店を移転した場合に登記変更の必要がないからです。最小行政区画以下も記載してしますと、同じ新宿区西早稲田内で本店を移転した場合、例えば、同じビルの隣の部屋に移転した場合でさえ、定款の変更が必要になります。
なお、新宿区から渋谷区に本店を移転したときは、いずれの場合でも定款変更は必要になります。
定款には、

「当会社は、本店を東京都新宿区に置く。」

などと、記載します。

登記には住所をすべて記します

本店住所は登記事項となっています。定款は最小行政区画まででもOKでしたが、登記はそうはいきません。
登記の場合には、「〇丁目〇番地〇号」まで記入する必要があります。
本店が集合住宅だった場合、「○○ビル○○号室」まで入れてもかまいませんが、入れなくてもOKです。
ただ、「○○ビル○○号室」まで入れると、同じビル内で部屋を移った時に、登記の変更をしなければならないので登記費用がかかりますし手間もかかり面倒です。

本店の住所が「東京都新宿区西早稲田1丁目1番地1号 大隈ビル205号室」の場合の登記記載例

1.東京都新宿区西早稲田1丁目1番地1号(ビル名以下を省略)
2.東京都新宿区西早稲田1丁目1番地1号大隈ビル205号室(すべて記載)
3.東京都新宿区西早稲田1丁目1番地1号大隈ビル(部屋番号を省略)

2.は205号室から206号室に移転しても登記変更が必要になります。

事務所を賃貸するときの注意点

設立時に本店の住所を賃貸物件に置く場合、いくつか注意すべきことがあります。
まず、物件契約の時点ではまだ会社が設立されていないので代表の名前で賃貸借契約を結ぶことになります。
この時、以下の二つのうちどちらかを行ってください。

①会社設立登記後、賃借人を代表から会社に変更してもらうよう貸主に契約書に一筆入れてもらう。

②貸主に会社設立後に、代表者がその会社に転貸借できるように転貸禁止条項を削ってもらうか、転貸借承諾書に記名押印してもらう。

このいずれかをしておかないと、許認可申請の際に事務所の使用権原がないとして申請を受け付けてもらえません。賃貸借契約書の賃借人は会社ではなくて代表個人だからです。
ちょっと私自身の経験をお話しします。

私は現在は、自宅兼事務所ですが、かつて不動産会社を経営していた時は、隣の市に事務所を借りていました。
設立もそこの住所を本店にしていました。
当然、契約書には私個人が記名押印しました。
設立から半年ほど経ち宅建業免許の申請に県庁に行き、書類のチェックをしてもらっている時に、
「賃貸借契約書と申請者の名前が違いますね。これでは受付できません。」と言われました。
その時私の反論は、「会社の設立前に、会社名義で賃貸借契約は結べませんよね?そうすると、代表個人で契約するしかないですよね?それなのに、会社名義の賃貸借契約書を持ってこいと言いうのは無理なんじゃないですか?」とかなり大きな声を出しました。
担当者も気色ばんで「決まりなんだから受付できません。そちらで考えて何とかしてください!」と怒鳴り返してきました。
まあ、相手の言っていることはまさにその通りなのですが、私の言い分も筋が通っている(と思う)はずです。
登記前に会社名義で賃貸借契約はできないが、本店の住所を定めるために賃貸借契約は結ばなければならないという矛盾です。
そこで私は、「それでは、大家さんに賃借り人の変更を認めてもらうか、転貸借承諾書を取ってきて添付すればいいですか?」と聞いたところ、担当者からそれでいいとの言質を得ました。

おそらく、大抵の人は知っていることかもしれませんが、初めて会社を設立する人にはなかなかわからないことです。
なので私は、会社設立の相談を受けた際には、必ずこのことをお伝えしています。

本日はここまでです。お疲れさまでした。

会社設立に関心をお持ちの方は、お気軽にご相談ください!


この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次